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改正労働基準法が施行されます |
更新日: 2010年03月20日 |
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この法改正は、長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図ることを目的としており、平成22年4月1日から施行されます。 1.時間外労働の割増賃金率の引き上げられます (中小企業については、当分の間適用が猶予されます) (1)1ヶ月に60時間を超える時間外労働を行う場合(改正法第37条第1項、第138条) 1ヶ月に60時間を超える時間外労働については、法定割増賃金率が25%から50%に引き上げられます。なお、割増賃金率の引上げは、時間外労働が対象で、休日労働(35%)と深夜労働(25%)の割増賃金率は変更ありません。 また、中小企業については、当分の間、法定割増賃金率の引き上げは猶予され、施行から3年経過後に改めて検討することとされています。 【猶予される中小企業】 イ.資本金の額または出資の総額が 小売業・サービス業 → 5,000万円以下 卸売業 → 1億円以下 その他 → 3億円以下 または ロ.常時使用する労働者数が 小売業 → 50人以下 卸売業・サービス業 → 100人以下 その他 → 300人以下 事業場単位ではなく企業(法人または個人事業主)単位で判断します。 (2)割増賃金の支払に代えた有給休暇の付与の仕組みが導入されます(改正法第37条第3項) 事業場で労使協定を締結すれば、1ヶ月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、改正法による引上げ分(25%→50%=+25%部分)の割増賃金の支払に代えて、有給休暇を付与することができます。 なお、この有給休暇は、長時間の時間外労働を行ったときから一定の近接した期間内に、一日または半日単位等のまとまった単位で付与する。 また、労働者がこの有給休暇を取得した場合でも、25%の割増賃金の支払は必要となります。 〔具体例〕時間外労働を月76時間行った場合 月60時間を超える16時間分の割増賃金引上げ分25%(50%−25%)の支払に代えて、有給休暇16時間×0.25=4時間分の付与が可能(ただし、76時間×1.25の賃金支払は必要) 2.割増賃金引上げなどの努力義務 「時間外労働の限度基準」(平成10年労働省告示第154号:限度基準告示)により、1ヶ月に45時間を超えて時間外労働を行う場合には、あらかじめ労使で特別条項付きの時間外労働協定(通称「36協定」)を締結する必要がありましたが、新たに、 (1)特別条項付きの時間外労働協定では、月45時間を超える時間外労働に対する割増賃金率も定めること (2)上記(1)の率は法定割増賃金率(25%)を超える率とするように努めること (3)月45時間を超える時間外労働をできる限り短くするように努めること という3点が盛り込まれました。 なお、上記の限度基準告示は、改正法の施行までに、あらためて改正される予定です。 3.年次有給休暇の時間単位取得 (1)現行では、年次有給休暇は1日単位で取得することとされていますが、事業場で労使協定を締結すれば、1年に5日分を限度として時間単位で取得できるようになります。 これは、所定労働日数が少ないパートタイム労働者の方なども、事業場で労使協定を締結すれば、時間単位で取得できるようになります。 なお、1日分の年次有給休暇が何時間分の年次有給休暇に当たるかは、労働者の所定労働時間をもとに決めることになりますが、詳細は改正法の施行までに厚生労働省令で定められます。 (2)年次有給休暇を日単位で取得するか、時間単位で取得するかは、労働者が自由に選択することができます。例えば、労働者が1日単位で取得することを希望した場合に、使用者が時間単位に変更することはできません。 |
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